世界観
自然が豊かで神社、仏閣が多い。東北側には海に面しているところもある。
地元愛が強くて伝統的な神社、神道系のお祭りが強く根付いている場所。
祀られている神様、迷信、有名なお化けや好きスポットなどがネットで話題になっているような場所もある。
過去に自然による事故、行方不明事件などの経験があったこと、電気等も少ないことから夜道はかなり暗い。
ゆえに一人での徘徊、子供だけでの散歩、
遊びなどは危ないので避けるべしというような風習が根付いている。
明治初期。
ある生徒が学校で大火傷をする事件が発生した。
その生徒は焼却炉でゴミを焼却中、
突如大きく燃え上がった炎で全身を火傷してしまう。
顔の肉は醜くただれ、見るも悼ましい姿に変わり果ててしまったその生徒は、 学校でのいじめもエスカレートするようになり、やがて不登校になる。
それからある夏の日ーー、
校庭にある古井戸から謎の変死体が見つかることとなる。
警察の調べでは、変死体に火傷の痕跡が見られたことから焼却炉で火傷を負った少女の自殺と結論づけられていた。
同級生の間では「いじめグループに殺された」のではないかと噂されていたがそれ以上事件に関する情報の追及はされず、噂だけが先走りしてしまうこととなる。
噂はあっという間に広がり、その学校からは生徒が一人、二人と転校し、事件の真相は明かされないままに、学校は人口減少と過疎に伴い閉校する。
今もその学校は手がつけられないまま、廃校として残り続けている。
ごく平凡な田舎町。守津杜(まつど)市。
そこには全校生徒150名ばかりの中規模クラスの学校「守津杜学院」がある。
制服も個性も異なる4つの小さな集落が統合し、合計4箇所の地域から生徒が登校可能になった場所。
そこには少し大人びた、仲良し4人組の女子高生たちがいた。
彼女たちは新聞部として活動し、
地元の周知活動、観光スポットなどを動画で撮影し、SNSなどに投稿活動も行っていた。
世間は動画投稿が当たり前の日常。
それに夢中な年頃の高校生たち。
葉月たちもその影響を強く受けており、他の地域で活動する同年代の女子高生の動画配信者やインフルエンサーに憧れを抱いていた。
私たちも人気にあやかりたい!
もっと地元の知名度をアップしたい!
そんな時、旧校舎で見つけた1つの古い資料。
そこで発見したのは、ある学校で見つかった事件と謎の魔物の目撃記事だった。
彼女たちは、新聞部の取材として、動画の素材として噂になっている情報の信憑性を探るべく事件のある廃校へと向かうことになった。
仲良し四人組の行動派、リーダー格である葉月は廃校を訪れた。
そこには都市伝説の噂にもある古井戸の姿が片隅に目に入る。
「まさかね…」
葉月はそう思いながら、
自然と古井戸に引き寄せられていた。
古井戸の上には板と重石で井戸を封じられていたが、少しずれている隙間から中が覗けそうだった。
「よく見えないな…」
井戸の周囲を取り囲む葉月たち。
黙って顔を見合わせた四人は、無言のままそっと石をのけて、板をずらして井戸の中を覗き込んでいた。
「……なにも…ない…?」
期待外れの4人は廃校舎の中へと探索に出かけるが、すでにこの時、一人の身にある異変があらわれはじめた…。